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![]() 測定値が規制基準を満足しているか否かを判定する場合、 測定器の検定公差をどのように扱うのですか。 (行政職員) |
測定器の検定公差を考慮した測定は、一般に行っていない。 検定公差は騒音計等の検定時の最大の器差を定めているものであり、 検定に合格した騒音計等は常に検定公差分の器差があると言うものではない。 管理の良好な最近の騒音計の器差は多くの場合に小数点以下であり、 四捨五入した整数値は0dBとなることがほとんどである。同様に 最近の振動レベル計の器差も多くの場合に1dB以下であり、 二捨三入した数値は0.5dB以下となることが多い。騒音計の検定公差は、 1/3オクターブの場合500〜1.6kHzの平均値で精密級では0.7dB、 普通級では1.5dB、振動レベル計のそれは周波数別に定められ、 4Hzは1.5dB、6.3Hz,8Hz,16Hz,31.5Hzは1dB となっている。一方、測定値は数10dBであること、 普通小数点以下を四捨五入することからすると検定公差(器差) で補正してもその差は小さなものとなる。 以上のことから一般の測定では検定公差(器差)を無視し、これを扱わない。より正確な測定を必要とする場合は、 騒音計等の校正を正確に行ってから測定を実施するのが一般的である。 しかし、考え方として、 検定済証又は試験結果成績表付きの検査を依頼した後の保管が良好にされており、 かつ、音響校正器等で検定時又は検査時の性能確保が確認された場合には、 その検定済証に記された器差又は検査結果で補正した値を測定値とすることにより、 より真値に近い測定もできる。また、 都道府県で行われる騒音計の検査結果についても同様のことが言い得る。 しかし、補正は周波数特性まで考慮して実施しないと、 真値に近づくとは限らないこともあるため注意が必要である。また、 補正自体が煩雑であるし、 特に振動レベル計の場合は周波数別に行わなければならないことから、 ほとんどこの補正はされていない。 なお、一般に測定器の周波数特性まで合わせて騒音計等を使用するのは、 距離減衰、壁の内外のレベル差等の測定の場合である。 この様な時には、同一信号を数台の騒音計でほぼ同時又は同じ状況で測定を行い、 周波数成分まで同一値となるように補正して測定を行う。だが、 この場合も検定公差を扱うことは少ない。
((社)産業環境管理協会 高津熟 認定技士)
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![]() 騒音問題に対する規制は、 都道府県知事が指定した地域を対象に行うとのことですが、 騒音源が規制対象地域以外にあり、 苦情が規制地域内から出た場合は法的にどのように対処するのですか。 また、この場合、規制対象地域外が県外にあるときはどう対処するのでしょうか。 (機械メーカ研究所社員) |
騒音規制法では、 知事が指定した地域内(主として都市計画法に基づく用途地域内) において特定施設を設置している工場・事業場(特定工場等) に対し規制基準が適用されます。一方、 自治体の公害防止条例等については各県の独自性が発揮され、 特定施設の追加や規制基準の強化を行っている自治体もあります。 法的には特定工場等以外の事業場や規制基準の設定されていない地域に 立地している事業場には、規制基準を遵守する義務は課せられませんが、 苦情が発生するおそれがある場合や苦情が発生した場合には 誠意を持ってその解決に当たるのが事業者の責務と考えられます。自治体により騒音規制法に基づく指定地域外についても 条例等で規制対象としている場合や、 工業団地等に立地している工場・事業場と公害防止協定等が締結され基準が 設定されている場合にはその基準が適用されます。本県ではご質問のような、 騒音源が規制対象地域外にあり、規制地域内から苦情が発生した場合であっても、 事業場の敷地の一部が規制地域に接している時はその接している部分に 規制基準が適用されます。 規制基準等を満足している場合や基準の定めがない場合の苦情処理にあたっては、 苦情発生地点における騒音レベル、周辺の土地利用状況、発生源側の対応、 被害の内容等によって受認限度(社会生活上我慢すべき程度)が変動しますが、 人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準として 設定されている環境基準との適否も受認限度を判断する大きな要素の一つとなります。 このため本県では、苦情発生地点における騒音レベルが環境基準を 超過している場合は、発生源側に対して防音対策を指導することになります。 但し、環境基準を超過していない場合は一応適法と推定しています。 最後に、県外の発生源からの騒音により苦情が発生している場合は、 工場・事業場に対する直接的な立入調査や指導等の権限が及ばないため、 関係する自治体間で連絡調整を図りながら、 工場・事業場の指導を行うことになります。
(宮城県保健環境センター 菊地英男)
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![]() FFT分析ではアベレージングと時間窓関数に数タイプがありますが、 どのような音にどんなタイプを選択すればよいのでしょうか。 (匿名) |
![]() 一般的なFFT分析器にはアベレージング(平均化)機能として、 「時間領域での平均」「周波数領域での平均」「MAX(またはピーク)平均」 「トリガ平均」「指数平均」があります。また、 時間窓関数としては「レクタンギュラー(方形)」「ハニング」 「ハミング」が一般的です。 まず窓関数に関して、例えば城戸著「FFTアナライザ活用マニュアル」 (日本プラントメンテナンス協会発行)から説明図を引用します。 正弦波及び第10高調波までを含む複合波信号を方形窓で分析すると、 信号の基本周期の整数倍が時間窓と等しければ正確に分析でき、 図1の(a)を得ます。しかし非整数倍の時間窓では(b)のように、 各成分の周波数とそのピーク値は(a)と等しいのですが、 本来存在しない周波数成分が大きな値として分析結果に現れます。 時間窓が基本周期の非整数倍であることが騒音分析の一般的な条件ですから、 ピーク成分以外に存在する成分もFFT分析で理解しようとすると、 方形窓では不十分になります。 そこで非整数倍の時間窓でも正確な分析を期待して、 信号を周期関数に近づけるハニング関数やハミング関数の時間窓を用います。 上記複合波信号をハニング窓とハミング窓で分析すると、各々(c)、 (d)となります。どちらもピーク周波数は方形窓による分析と同じですが、 ピーク成分の値は方形窓の結果より小さくなります。 ハニング窓とハミング窓の違いはピークの形状とピーク以外成分の値に現れます。 ピーク成分以外の成分を重視するならハニング窓が、 ピーク成分の尖鋭度を重視するならハミング窓が適しています。 しかし、これらの機能を使いこなすためには経験によるノウハウが必要です。 回答者は上記のような解説書に基づいて次のように使い分けています。 時系列波形を観察したり伝達関数や相関関数解析を行う場合は、 方形窓で時間領域平均かトリガ平均を用います。 スペクトル分析では周波数領域の平均を用いますが、 騒音波形は一般的に周期関数ではありませんので、 適当な時間窓を次のように選定しています。
((株)荏原総合研究所 丸田芳幸)
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![]() 規制は苦情が出てから行う(うるさくても苦情が無ければそのまま) とのことですが、騒音問題が後手に回る理由の一つかと思います。 他の法規制やISO9000,同14000などにより、 工場設計時から防止を行う手段はないのでしょうか。具体例があれば教えて下さい。 (機械メーカ研究所 社員) |
![]() 騒音規制法では届出制を、公害防止条例では多くが許可制を採って事前審査し、 問題が起きそうであれば計画変更を行う仕組みになっています。 ISO14000の環境マネジメントシステムモデルでは 「環境方針−計画−実施及び運用−点検及び是正措置−経営層による見直し」 を実施し継続的に改善していくものです。 従来の騒音規制法のように境界線で何dB(A) という規制値を示したものではありません。企業の事業内容で、 作業時や工事中の騒音が従業員や近隣に影響するようなら、 目的及び目標に取り入れられます。例えば作業環境騒音を80dBにするとか、 境界線における騒音を規制値以下にすることを目的とし、 いつまでに達成するかを目標とし、 この目標を期間内に達成するためにどういう対策を考えているか等を公表することで、 工場設計時から防止手段を施すことになります。
((株)荏原製作所 工藤信之 認定技士)
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![]() ISO9000,14000に係わる騒音振動等を含む労働安全衛生の動向と 管理項目の資料があれば入手したい。 (金属会社 社員) |
![]() ISO9000,14000とも騒音・ 振動などを含む労働安全衛生上の管理項目について規定したものではありません。 上記の規格は従来の製品規格又は規制の規格と異なり、 システム構築の規格となっております。 ISO9000は品質管理のための「責任権限の明確化」 「文書管理など記録の整備」「内部監査の充実による業務改善」 等によるシステムの構築が明確化されたもので、ISO14000は 「廃棄物の削減等具体的な目標を決めて公表」 「実施責任者を決めて文書でマニュアル化」 「ノウハウのある監査人が点検」等によるシステムの構築を規格化したものです。 又将来予定されている労働安全の規格(2000年頃、ISO16000の予定) も同様に騒音・振動に関する義務的な規定はありません。 騒音振動の環境影響の大きい企業は、 自主的に決めて自分で守ってその結果を公表することになります。
((株)荏原製作所 工藤信之 認定技士)
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![]() トンネル掘削等に伴う低周波空気振動は法的に規制されていますか。 また、被害者側での規制値(目標値あるいは許容値) の設定の考え方について教えて頂きたい。 (環境衛生研究所 所員) |
![]() 先に結論から申せば、 トンネル掘削等に伴う低周波空気振動は法的に規制されていません。 環境庁では、周波数が100Hz程度以下の音を従来より「低周波空気振動」と称し、 いわゆる行政用語として使用してきました。100Hz以下の音は、 人間の耳に聞こえる「可聴音域」と、 聞こえないとされている「非可聴音域」の両領域を含んでいます。前者の領域は、 20Hzから100Hz程度で騒音の範囲にあり、 後者の領域は20Hz以下で非可聴音域の範囲にあります。一般には、 これらの領域の音の定義は特に決まってはおりませんが、 (社)日本騒音制御工学会研究部会低周波音分科会では、 1Hzから80Hz(1/3オクターブ中心周波数で表現、 遮断周波数では約90Hz以下)を低周波音と呼び、 20Hz以下を特に超低周波音と呼んでいます。従って、ここの回答では、 低周波空気振動を低周波音の用語ですすめることとします。 低周波音の影響には、「人体への影響として心理的、生理的、身体的、 精神的などの妨害」や「物理的な影響、 すなわち構造物への影響ということで家屋内の建具、窓枠、 家具類のガタツキあるいは屋根瓦のずれ」等があるとされています。しかし、 前者の影響については個人差が大きく、量(低周波音レベル)と反応(心理的、 生理的影響度)とを明確に結びつけることが極めて難しいとされております。 後者の影響では、定常的な低周波音や衝撃的な低周波音による 「建具のガタツキ」の周波数について、 実験などによって明らかになってきております。 定常的な低周波音では、例えば5Hzにおいて約70dB以上であると 「建具のガタツキ」が発生しやすくなる傾向を示しています。 衝撃的な低周波音では、 定常的な場合より10dB大きい値で発生する傾向を示しています。 被害者側での目標値あるいは許容値の設定では、建具のガタツキについては、 一般にその発生周波数において10dB低い値を考慮することが重要で あるとされています。例えば、10Hzの定常音では木製の窓枠、木製雨戸、 障子等ががたつく可能性が高いので、 目標値は65dB以下に設定することが必要となります。
(飛島建設(株)技術研究所 塩田正純)
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![]() 発破等の瞬間的な騒音、低周波音、振動をレベル表示させる場合、 騒音計、低周波音レベル計、 振動レベル計及びレベルレコーダの動特性はどれを選定すべきですか。 (環境衛生研究所 所員) |
各測定器により表示されるレベルは入力信号に対してある周波数補正(例えば、 騒音計ではA特性など)を行った後に、動特性(指示特性)としてFAST、 SLOW、VIBRATION等の時間的な補正を加え、 それを実効値のdB値で示しています。JIS C 1502(普通騒音計)では速い動特性(FAST) と遅い動特性(SLOW)を規定しており、 応答の相対レスポンスを表す時定数τはそれぞれ0.125sと1sです。 JIS C 1510(振動レベル計)ではVIBRATIONとしてτを 0.63sと規定しています。 定常振幅の正弦信号が騒音計に突然入力されたときの応答の相対レスポンスは 次式で示されます。(式中、tは時間(s)) JIS C 1512(騒音レベル、振動レベル記録用レベルレコーダ) においてもFAST、SLOW、VIBRATIONに同一の規定がされています。 FASTとVIBRATIONは被験者試験の結果を反映した値ですので 表示レベルとしては意味のある値と考えられます。一方、 SLOWは適当な平均を得るための特性と位置づけられます。 現行では、環境騒音・振動はJIS規格に基づき測定しますから、 衝撃的な騒音であってもFAST、 振動ではVIBRATIONで計測しておくべきだと思います。しかし、 低周波音については周波数補正及び動特性についてもまだ規定がなく、 当工学会技術レポートNo.11「低周波音及び超低周波音測定方法」 (1991)はSLOWを用いることを提案しています。 衝撃的な音・振動の評価についてはまだまだ多くの議論がなされており、 対象騒音毎に種々の評価量が用いられています (ピーク音圧レベルや等価騒音レベルなど)。IEC規格では IMPULSEとして0.035sを規定しており、 ISO規格などではこの最大レベルを評価量として推奨しているものがありますが、 使用については留意する必要があります。 また、各測定器で衝撃的な信号を測定する時は、 信号波形の実効値に対するピーク値の比で定義される波高率 (crest factor)に対する測定器の実効値の指示精度についても、 各測定器が許容できる波高率(削岩機の音で約7) を知っておく必要もあると思います。
(資源環境技術総合研究所 国松 直)
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![]() 振動測定における加速度計、速度計、 変位計の使い分けについて教えて下さい。 (計量証明会社 社員) |
![]() 振動の変位、速度、加速度の間には数学的な微分・積分の関係があります。 いま変位dがd=Asinωtで表される単振動とすると (A:変位振幅、ω:角周波数)、振動速度v=Aωcosωt、 振動加速度α=−Aω2sinωtとなりますから、周波数f(=ω/2π) といずれかの振動量が分かれば他の量も知ることができます。 一般に環境振動は複数の周波数成分から成る振動現象ですから、変位、速度、 加速度のいずれかの周波数分析を行うことで、 他の振動量の振幅を知ることができます。しかし、 例えば振動ピックアップの出力が加速度に比例している場合には、 そこから変位の時刻歴を求めるには積分を2回行うことになりますので、 変位の精度は落ちることになります。従って、測定する目的が変位であれば、 ピックアップの出力が変位に比例する静電容量型や渦電流型振動計を用い、 出力が速度に比例する導電型や電磁型振動計を速度測定に、 出力が加速度に比例する圧電型、サーボ型、 あるいは歪みゲージ型振動計を加速度測定に用います。 現在、環境振動では加速度を基本とした測定が最も多く、 圧電型の加速度ピックアップは構造が簡単で 機械的強度も大きいことから多用されています。例えば、 振動レベルの鉛直方向の周波数補正特性は、4〜8Hzでは加速度、 8〜80Hzでは速度の特性になっています。 このような特性を持つ振動レベルの測定でも、 一般には加速度を測定して電気的に周波数補正を行って求められています。また、 力や破壊に関連した衝撃力を測定したり、 振動特性を把握して防止対策の資料とする測定などでは、 加速度を測定して周波数分析する例が多く見られます。 振動速度の測定例としては、 揺れ易さの指標である機械インピーダンスの測定があります。 機械インピーダンスは、速度と力を同一地点で同時に測定して (力/速度)で求められます。 振動を嫌う精密機器では、 変位振幅の最大許容量が規定されているものが多いようですが、 このような場合では変位測定となります。ただし、 測定には各々のピックアップの適正な周波数範囲を熟知しておくことが必要です。
((財)小林理学研究所 横田明則)
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![]() 立体駐車場から低周波音が出ると聞きますが、 原理的に出るものですか、それとも共振のような状況で出るのでしょうか。 (自治体職員) |
![]() 大型機械式駐車場装置の特に垂直循環式の立体駐車場(タワーパーキング) に隣接した木造や剛性の弱い低層建築物において、低周波音で家具や建具の 「ガタツキ」が発生することがあります。また木造2階建て家屋の固有振動数 10〜15Hzがタワーパーキングが出す低周波音の主要周波数に近く、共振によっ てその影響が大きくなることもあります。 タワーパーキングは、電動機(16〜20Hz)の出力を遊星差動方式減速機を介 し上部駆動部と下部従動部の大型スプロケットチェーンを旋回速度16〜 20m/minで回転し、チェーンで結ばれたパレットが車を移動する装置です。筆 者の調査では駆動部機側において4〜31.5Hzに90〜100dBの低周波音が発生し ています。装置メーカによって低周波音のピークが10〜15Hz前後と若干の差が ありますが、全く低周波音を発生しない装置はありません。低周波音は装置の 機械がある特定の条件の場合に発生しますが、特に、不具合のある構造物との 共振による増幅が高レベルの低周波音発生の主要因です。 前述のタワーパーキングの構成は、あたかも遠心送風機に似たモデルです。 大きなパレットが羽根の役目で大空間の空気を撹拌し、粗と密の圧力変化を与 え、この圧縮波とタワー構造体の鉄骨フレームや外装板の共振が重なって低周 波音を増幅することも考えられます。 低周波音の有効な実務的対策としては、(1)回転スピード制御による回転加 振エネルギーの減少(加振力の除去、伝達防止、加振力周波数の変更)。(2) ピーク性の鋭い成分だけを目的とした動吸振器を応用した装置の付加(3%程 度の重りを付加した振動系付装置が販売中)。(3)高剛性遮音構造(コンクリー ト造、重量鋼製パネル):「空気の共振域」(40〜60Hz域)を除いて、上では 質量則で5dB/oct.、下では剛性則で-6dB/oct.の遮音効果が期待できます。 現在、各装置メーカは騒音振動の屋外規制値を満足できるように極力経済設 計に努めていますが、高剛性遮音構造で低周波音域から可聴音域までの広範囲 を対象として設計することは、なかなか難しいようです。将来、低周波音に対 し、測定方法、評価方法及び行政の規制が普及・確立すれば対策方法も同時に 展開すると思われます。
(石川島防音工業(株) 緒方三郎)
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![]() 防音壁による回折減衰に関して、 前川曲線と日本音響学会の道路交通騒音予測式のαd との違いについてその理由を教えて下さい。 (計量証明事業会社 社員) |
![]() 防音壁の回折減衰については、実験を基に作成された簡易図表から回折理論 に基づいてより精密な計算を行う方法まで、いろいろな条件に対して多くの計 算方法がこれまでに提案されています。 この中でも前川チャート(前川曲線)は、厳密な計算をしなくても回折効果 を容易に求められるという簡便性と特定の条件を除いて実験値によく合うとい う信頼性から、環境アセスメントを始め、種々の騒音防止設計に広く利用され ています。このチャートは前川が自由空間において、無指向性の点音源から放 射される音に対して厚みのない半無限に広がった障壁を想定して実験的に求め たもので、減音量を一本の直線で表現しています。このチャートの縦軸は減音 量で、障壁の有無による音圧レベルの差を表し、横軸はフレネル数という障壁 の有無による伝搬経路の差(行路差)を音の半波長で割った数で表されていま す。 一方、昭和50年に発表された日本音響学会の道路交通騒音予測式、いわゆる 音響学会式における回折補正値αdのチャートは、道路交通騒音に対する回折 による補正値を求めるための計算図表です。このチャートは、山下らが、自由 空間において、非干渉性の線音源から放射される音に対して厚みのない半無限 に広がった障壁を想定して実験的に求めた道路交通騒音に対する回折による補 正量です。このチャートの縦軸は回折補正量で、横軸は行路差です。 以上のように、前川チャートと音響学会式のαdのチャートは、ともに防音 壁の回折による減音量を求めるための計算図表ですが、前者は点音源を前提と して、入力には周波数と行路差が情報として必要となります。後者は道路交通 騒音を対象とした線音源を前提として、交通量と速度が予測式の適用範囲内の 場合において、行路差のみで回折による減音量を求めることができます。この ように、両者は対象とする音源の性状により使い分ける必要があります。
((財)小林理学研究所 松本敏雄)
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![]() 近年、低周波が原因とみられる苦情が 再び増加傾向にありますが、発生源が不明瞭であることが多く、 それを容易に確定できる機器や手法がありましたなら紹介願います。 (行政職員) |
![]() 適当な間隔を離して置いた2つのマイクロホンを使用して、発生源からの音 の到達時間差(位相差)を利用して音源の方向を知ることが出来ます。図1 (a)のようにマイクロホンA,Bが同位相の位置に在れば、2個のマイクロホ ンの出力(交流電流)も同位相になります。図1(b)のようにマイクロホンへ の到達時間に差が在れば、2個のマイクロホンの出力にも位相差が現れます。 従いまして、マイクロホンを移動して図1(a)のような状態を見いだすこと ができれば、発生源はマイクロホンAとBを結ぶ直線に直角な方向に存在する ことになります。 この方向探知を2箇所で実施すれば、低周波音の発生源の大体の位置を推定 できます。図2の測定点Tで発生源がT−T’の方向に在ると推定され、次に 測定点Uで発生源がU−U’の方向に在ると推定されれば、その両者の交点付 近に発生源が在ると考えられます。 但し、発生源からマイクロホンに音波が到達するまでに、風などの影響によ り音波の波形に乱れが生じることがあり、オシロスコープなどのリサージュ波 形で位相差を観測するだけではうまくいきません。 図3は筆者が以前開発したシステムのブロック図です。マイクロホンで採取 した音波からフィルタにより目的の周波数のみを取り出し、2個のマイクロホ ンの位相差を検出します。2つのフィルタ間の位相のずれの調整、音圧の変動 による影響をなくし位相情報のみを取り出す工夫(方形波変換)や、風による 位相のゆらぎの影響を少なくするための平均化が必要となります。このような 方法で測定しても、風のあるときはたとえ微風でも測定は無理と考えた方が良 いでしょう。 位相差を利用する原理は一緒ですが、2個以上のマイクロホンを利用して、 マイクロホンを移動せずに発生源の方向を探知するシステムもあるようです。 以上のような音源探知機は筆者の知っている限りでは、現在ではどこも販売 はしていないようです。
(東昌エンジニアリング(株)森 卓支 認定技士)
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