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(2003年)
- [Q]建物の遮音性能の測定に関するJISが2000年に変わっているとのことですが、以前のJISと比べてどう変わっているのですか。
- [Q]JISA1417と同様にJISA1418(重量床衝撃音遮断性能)も改正されたとのことですが,解説をお願いします。
(音響調査会社 社員)
- [Q]道路交通騒音対策効果を計算する際、高架裏面の吸音率等はどのように決めればよいのでしょうか。
(建設コンサルタント)
- [Q]既存道路の騒音対策を遮音壁、吸音処理によって行おうとする場合、費用はどのくらいかかりますか。また費用以外に注意すべき点はどのようなことでしょうか。
(建設コンサルタント)
- [Q]直下に居室があるような厨房の床は、浮き床が必要であると聞きましたが、耐水性を考慮してスタイロフォームを緩衝材として用いたいのですが性能はどうでしょうか?
(工務店 社員)
- [Q]道路の音がうるさいので、窓を替えようと思っています。ガラスが2枚ある複層ガラスにしようと思いますが、遮音性能は今の2倍になるでしょうか?
(マンション住人)
- [Q]最近エネルギーレベルという用語を良く聞きますが,どのような時にもちいられているのでしょうか?
(大学学生)
- [Q]道路交通騒音対策に用いられる吸音材の吸音性能に「平均斜入射吸音率」という言葉を聞きますが,どのような値なのでしょうか。また道路交通騒音以外の騒音に対する騒音予測には使用できないでしょうか。
(コンサルタント)
- [Q]大店立地法の騒音予測において,現地で騒音源データを測定する場合,各音源から点音源とみなせる距離を確保する必要があるという説明がされていますが,対象音源からある程度離れた場所では他の騒音源からの影響を受けてしまい,S/Nを確保することが困難です。このような場合,暗騒音による影響を少なくする方法,騒音源の指向性の考え方,測定位置をどのように決めればよいのでしょうか。

(建設コンサルタント)

建物の遮音性能の測定に関するJISが2000年に変わっているとのことですが、以前のJISと比べてどう変わっているのですか。
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JIS A 1417は2000年にISOに準拠するために改定されました。その主な内容は、従来の室間音圧レベル差に加えて基準化音圧レベル差、標準化音圧レベル差及び準音響透過損失が追加された、測定周波数帯域が従来の1/1オクターブバンドに加えて1/3オクターブバンドが追加された、これに伴い測定周波数が変更されたこと、さらに受音装置に従来の騒音計に加えてリアルタイムアナライザーが追加された、測定方法として固定マイクロホン法に加えて移動マイクロホン法が追加されたこと、受音点の高さが従来の1.2〜1.5mから空間的に等分布させる規定に変更されたこと等です。新JISと旧JISの変更点の詳細を次の対比表に示します。
JIA A 1418の重量床衝撃音遮断性能も本JISと同様の改正をされています。また、測定結果が小数点1位まで算出しますので、評価に関するJIS A 1419での許容値は2.0dBです。この他、計算結果の算出方法など細部で旧JIS と異なっています。測定時にはJISを参照して下さい。
| 比較項目 |
新JIS A 1417-2000 |
旧JIS A 1417-1974 |
| 表題 |
建築物の空気音遮断性能の測定方法 |
建築物の現場における音圧
レベル差の測定方法 |
| 適用範囲 |
室間音圧レベル差、基準化音圧レベル差、標準化音圧レベル差及び準音響透過損失 |
室間平均音圧レベル差、
特定場所間音圧レベル差 |
| 測定装置 |
普通騒音計、精密騒音計、オクターブ又は1/3オクターブバンドフィルタ、リアルタイムアナライザー |
指示騒音計、精密騒音計、
オクターブバンドフィルタ |
| 音の発生 |
定常音(帯域ノイズ、広帯域ノイズ等) |
1オクターブ帯域雑音の
断続音 |
| 平均音圧レベルの測定における受音位置 |
固定マイクロホン法:
室境界または拡散体から0.5m以上離れ、音源からは1m以上離れた空間内に互いに0.7m以上離れた5測定点を空間的に均等に分布させる。
移動マイクロホン法
音源・受音室で0.7m以上の回転半径でマイクロホンを連続回転させる。回転面は床面に対して傾斜させ各壁面とも10°以上となるようにする。回転周期は15秒以上とする。 |
室内に一様に分布した5点、
マイクロホン高さは
1.2〜1..5mで上向き、
音源スピーカ、壁、扉、
窓、開口部のごく近くは
避ける |
| 平均化時間 |
固定マイクロホン法;
1/1オクターブバンド:250Hz以下3秒以上、500Hz以上2秒以上
1/3オクターブバンド:400Hz以下6秒以上、500Hz以上3秒以上
移動マイクロホン法;
マイクロホン移動装置の周期の整数倍且つ30秒以上 |
断続音発生時間内の指示値
の平均値 |
| 測定周波数範囲 |
1/1オクターブバンド;
125Hz, 250Hz, 500Hz, 1000Hz,2000Hz
1/3オクターブバンド;
100Hz, 125Hz, 160Hz, 200Hz, 250Hz, 315Hz, 400Hz, 500Hz, 630Hz, 800Hz, 1000Hz, 1250Hz, 1600Hz, 2000Hz, 2500Hz, 3150Hz |
125Hz, 250Hz, 500Hz,
1000Hz, 2000Hz, 4000Hz |
| 残響時間の測定 |
受音室内で境界面から1m以上離し、均等分布した受音位置3点で測定 |
規定なし |
| 測定結果 |
室間音圧レベル差、基準化音圧レベル差標準化音圧レベル差、準音響透過損失小数点1位まで |
室間音圧レベル差整数位
まで |
(日本建築総合試験所 和木孝男)
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道路交通騒音対策効果を計算する際、高架裏面の吸音率等はどのように決めればよいのでしょうか。
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特にこうしなければならない、というものはありません。ただ、参考にする吸音率の値としては平成7年の旧建設省告示第1860号における開発目標があります。これは「種々の道路箇所等において、新技術を応用した吸音板を設置することにより、反射音が沿道騒音に与える影響を大きく低減できる効果を有する」ことを開発目標に平均斜入射吸音率を評価項目として設定されています。 以下、道路箇所と平均斜入射吸音率の評価基準を列挙します。
高架道路の裏面 0.90以上
掘割壁面 0.85以上
トンネル内壁面 0.70以上
沿道建物の外壁面 0.75以上
橋脚 0.70以上
植栽枡の外壁面 0.70以上
技術目標の評価項目には平均斜入射吸音率の他、強度、安全性、重量、景観性、設置作業の容易性、維持管理の容易性があります。 なお、騒音対策等に具体的な製品があればその製品の吸音率データを用いる方が精度が高くなることはいうまでもありません。
(ゼット音響 北川 保)
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既存道路の騒音対策を遮音壁、吸音処理によって行おうとする場合、費用はどのくらいかかりますか。また費用以外に注意すべき点はどのようなことでしょうか。
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このようなご質問に「マイナス1dBあたり単価」のようなものが簡単に提示できれば便利だろうなあといつも思います。しかし、伝播経路対策である遮音壁では、そのように表現することには無理があります。 また、一口に道路といっても、土工部・高架部・掘割部など様々な道路構造が存在する事や、遮音壁であれば高さや形状(柱のサイズ、「忍び返し」、R付きなど)でも費用は左右されます。更に近年では、遮音壁や吸音板も音響的な機能以外に、意匠性、耐久性、リサイクル性などに付加価値を求めるなど、製品も多様化してきており、費用の面でも様々です。 前置きが(言い訳が)長くなりましたが、これでは回答になりませんので、具体的に条件を絞ってお話ししてみます。
- ・遮音壁
- 「JH統一板*1)を用いて、遮音壁を高さ3mで土工部に施工した場合」を例にとると、大凡で¥30,000/u(材工共、以下全て)程度です。これよりも単価が上昇する要素としては、「塗装を施す」、「支柱を隠すなど意匠に工夫する」、「勾配がある」、「透光性にする」、「防汚仕上げを施す」、「工事が夜間に限られるなど作業効率が悪い」などが挙げられるでしょう。
因みに透光性(反射性)にした場合、同様の施工条件で、¥60,000〜70,000/u程度(枠つきポリカーボネート透光板)、¥65,000〜75,000/u(枠なしアクリル透光板)程度です。 また、近年遮音壁頂部に「新型遮音壁」を施工する例も増加してきております。凡そ¥59,000〜62,000/m程度と考えられますが、こちらも様々な製品がありますので、各メーカーに問い合わせたほうがよいでしょう。
- ・吸音処理
- トンネルの内壁や掘割などの反射面に、後から吸音処理を施す場合、吸音材としてグラスウールを用いた一般的なタイプでは、¥35,000〜40,000/u程度と思われます。耐候性に優れたセラミック吸音板を用いた場合は、¥50,000〜55,000/u程度です。また、比較的特殊な施工箇所ですが、近年対策事例の多い高架道路の裏面に対する吸音板は大凡¥45,000〜55,000/u程度です。
これら全ては、誠に大雑把な概算です。計画に際しては、必ず各々見積もりをとる事をお勧め致します。 また、費用以外に注意すべき点との事ですが、 様々多くの点があると思います。材料メーカーの立場から申し上げられる事は限られていますが、既存構造ならではの点であれば、現状耐力の照査、供用中道路の工事規制の問題等が具体的に挙げられると思います。何事においても新品を作るより修理の方が難しいという事があると思いますが、手を加えるための、現状の調査・把握・診断の重要性に集約されるのではないでしょうか。
(日東紡績 三神 貴)
*1) 竹本恒行,"日本道路公団における金属製統一型吸音壁,"音響技術vol.6 no.3 53-60(1977)など |
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直下に居室があるような厨房の床は、浮き床が必要であると聞きましたが、耐水性を考慮してスタイロフォームを緩衝材として用いたいのですが性能はどうでしょうか?
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厨房の床は水仕舞の関係から硬い仕上げとなりますので、固体音対策が不十分な場合には、厨房での作業音は直下の室で50dBA以上となります。特に、グリストラップや側溝のグレーチング上を作業者が歩行する時に発生する衝撃音は60dBAに達し、発生頻度も高いので、厨房の直下に居室がある場合は浮き床などの固体音対策は不可欠です。
浮き床の緩衝材としてスタイロフォームを用いられるとのことですが、スタイロフォームでは十分な対策であるとは言えません。スタイロフォームは、厚さ50mmで動ばね定数は4×107N/m3、損失係数は0.5程度です。一方、グラスウール96kg/m3の厚さ50mmの動ばね定数は4×106N/m3、損失係数は0.25程度ですので、スタイロフォームの動ばね定数はグラスウールの10倍、損失係数は2倍に相当します。そのため、スタイロフォームを緩衝材として用いた浮き床は、グラスウールを用いた浮き床よりも固体音遮断性能が約10dB劣ります。厨房の床衝撃音対策としては、スタイロフォームよりもグラスウールを用いた浮き床を推奨致します。
なお、浮き床はわずかでも躯体と接触した部分(サウンドブリッジ)があると固体音の遮断性能は低下します。浮き床を施工する際には、サウンドブリッジができないように、特に立ち上がり部分などは十分な施工管理が必要だと思います。その他の留意点としては、以下の事項が挙げられます。緩衝材は、JIS A 6321、 JIS A 6322に規定するロックウール(100〜150kg/m3)またはグラスウール(96kg/m3)で厚さ25mm以上のものを用います。これらの材料は濡れると性能が発揮できませんので、JIS K 6781に規定するポリエチレンフィルム1種厚さ0.1mm以上で防水処理します。フィルムの継ぎ目は10cm以上重ねて、テープなどで目貼りをします。コンクリート打設の際には、ポリエチレンフィルムを踏み破らないようにし、また局部的な荷重をかけてグラスウールに損傷を与えないように注意して打設します。
((株)大林組技術研究所)
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道路の音がうるさいので、窓を替えようと思っています。ガラスが2枚ある複層ガラスにしようと思いますが、遮音性能は今の2倍になるでしょうか?
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複層ガラスは、断熱ガラスとして広く用いられるようになってきています。複層ガラスは対流による断熱性能の低下を防ぐため、空気層(ガラス間隔)は通常6〜12mmとなっています。そのため、ガラスの質量と空気のばねによる共鳴透過現象が中低音域に生じ、共鳴透過周波数帯域での遮音性能は、2枚のガラスの面密度を合計して、単板の音響透過損失質量則から計算した遮音性能よりも大きく性能は低下します。したがって、道路交通騒音のように低い周波数成分の多い音源に対しては、複層ガラスの遮音性能は2倍にはなりませんし、かえって逆効果となることもあります。
複層ガラスでも厚いガラス構成、特に異なる厚さのガラスで構成されたものは、比較的高い遮音性能が得られます。ただし、重くかつ見込み厚さが厚くなるため、普通のサッシでは対応できなくなりますので、サッシの交換を伴う工事が必要になると思います。
道路交通騒音を十分に遮音するためには、別々のサッシを現場で二重に構成する二重窓とされることが良いと思います。二重サッシは、十分なサッシ間隔(150mm程度以上)が確保できると、2枚のサッシの遮音性能の合計に近い性能が得られます。また、2枚のサッシは両方とも防音サッシとする必要はなく、片側は既存の普通サッシでも高い遮音性能が得られます。さらに、施工面や使い勝手の制約がなければ、二重サッシ間の周壁を吸音構造としたりひだを多くしたカーテンなどによる吸音処理をされると遮音性能は向上します。
なお、既製品で工場出荷時に二重に構成されているものを二重サッシと言い、上記の二重窓とは区別しています。
((株)大林組技術研究所)
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最近エネルギーレベルという用語を良く聞きますが,どのような時にもちいられているのでしょうか?
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エネルギーレベル (音響エネルギーレベル) は,JIS Z 8732:2000 (音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−無響室及び半無響室における精密測定方法) において次のように定義されています。
"音響エネルギーレベル (sound energy level) LJ : 測定対象音源から放射される音響エネルギーE [J] を基準音響エネルギーE0で除した値の常用対数の10倍。次式で与えられる。単位はデシベル [dB]。
 基準音響エネルギーE0は,1 pJ (=10^-12 J)。"
LJと類似の量に音響パワーレベル (sound power level) LWがあります。LWは,音源が単位時間 (1秒) に放射する音響エネルギー (単位:J) すなわち音響パワー (単位:W=J/s) をデシベル表示した量です。
一般にエネルギーとパワーは混同されやすいのですが,物理的には明らかに異なった量です。パワーは時間平均の概念に基づいていますから,衝撃あるいは間欠的な過渡現象には使えません。そのような場合にはエネルギーそのものに着目する必要があります。このようにLJとLWとは異なる量ですから,正確に使い分ける必要があります。定常騒音のように,時間によらず発生するエネルギーが変化しない場合にはLWの考え方を適用することができますが,衝撃性あるいは間欠性の音のように単発的な音については適用することが出来ません。この場合にはLJ,すなわち一回の発生ごとの総エネルギー (エネルギー積分値) を用いる必要があります。
最近,日本音響学会から提案された建設工事騒音の予測法"ASJ CN-Model 2002"において,A特性音響エネルギーレベルLJAが予測計算に用いられています。参考になると思いますので,ご一読されることをお勧めします。
(環境技術研究所 田近輝俊)
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道路交通騒音対策に用いられる吸音材の吸音性能に「平均斜入射吸音率」という言葉を聞きますが,どのような値なのでしょうか。また道路交通騒音以外の騒音に対する騒音予測には使用できないでしょうか。
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平均斜入射吸音率は道路交通騒音対策に用いられる吸音材の性能を規定する値であり,使用目的に応じて,例えば以下のような基準値が定められています。
高架裏面吸音板 90%以上
掘割側壁吸音板 85%以上
吸音型遮音壁 75%相当
トンネル内装吸音板 70%以上
従来,吸音材の性能評価には、音波が試料に垂直に入射する垂直入射吸音率や,ランダムに入射することを仮定した残響室法吸音率が用いられてきました。しかし道路交通騒音の場合には,音が特定の方向から吸音材に入射することが多いため,垂直入射吸音率や残響室法吸音率では十分ではなく,そのため斜入射吸音率で性能が規定されています。 平均斜入射吸音率は,0°,15°,30°,45°の4方向についての斜入射吸音率を測定し,道路交通騒音の平均スペクトルとA特性補正値を重み付けして算出します。入射角毎の斜入射吸音率の測定にはTSP信号等を用い,吸音材からの反射波を時間軸で分離します。そして吸音材がないときの(完全反射面と考えられる床面での)反射波との比からエネルギー吸音率を求めます。測定周波数範囲は400〜4kHz(1/3オクターブバンド)です。 したがって,平均斜入射吸音率は道路交通騒音のスペクトルを考慮しているため,道路交通騒音と異なるスペクトルの音源には適用できません。しかし平均斜入射吸音率の算出のもととなる斜入射吸音率は,入射角度別に周波数毎に測定されています。その値を用いて周波数毎に計算すれば音源のスペクトルが異なっても騒音予測に用いることができます。
(ニューズ環境設計 福島昭則)
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