(2000年)


  1. [Q]在来の鉄道騒音を評価する場合,特急,普通,貨物列車またディーゼル車で騒音の性質が変化するはずですが,車種別のLAeq評価をしなくてよいのですか。また,アセスメントではどのように取り扱うのでしょうか。
    (匿名)

  2. [Q]周波数分析の結果,ある中心周波数で1/3オクターブとオクターブの結果の差異がバンド幅の違いによるのは理解できますが,それらとFFT分析結果で得たその周波数での音圧とはどのように比較すれば良いのですか。
    (自治体職員)

  3. [Q]LAeqの取り扱いについて、今まで蓄積されたL50のデータを利用できないのでしょうか。
    (匿名)

  4. [Q]工学会の講習会で、空気は通す(排気?)が音は通さないといった構造物の説明がありましたが、具体的に構造を教えて下さい。
    (匿名)

  5. [Q]騒音に係る環境基準が改正され,騒音の評価にLAeqが導入されました。それに関連して,騒音規制法の改正もあるように聞いていますが,振動規制法も含め,それらの動向をお聞かせ下さい。
    (匿名)

  6. [Q]新環境基準では推計する方法が認められているが,推計結果の評価に評価者の主観が入ることになり,評価される側(推計者)との差異が表面化することが考えられる。このような場合をどのように処理するお考えですか。
    (匿名)

  7. [Q]騒音や振動レベルのフィールド測定中に,定格の温湿度測定可能条件から少し外れてしまった場合,どのような対策をとればよいのか,また,補正などが可能なのでしょうか。
    (匿名)

  8. [Q]在来鉄道の騒音指針値は新線のみ定められており、既設線の大規模改良には明確な数字がなく「現状より改善すること」となっている。「改善する」とは何dB(A)程度低減させるのが目的なのか。
    (匿名)

  9. [Q]騒音に規制事務に携わって1年に満たないが、法律や条例に抵触しない工場・事業場、建設作業、近隣騒音等についての苦情処理について苦慮しています。対処方法のコツのようなものがあればお教え下さい。
    (自治体職員)

  10. [Q]国道43号の訴訟以来、道路騒音公害に対する一般の認識は大きく変化し、技術的対応策も多くの進展を見ていると聞いております。国道43号等で実際とられている道路騒音の防止に関しての最新技術について、お教えください。
    (コンサル担当者)

  11. [Q]「現在途上国においても騒音は大きな問題になっていますが、騒音制御工学会、あるいは学会員の方々はどのような取り組みを行われているのでしょうか。わかる範囲でお教え下さい。」
    (自治体職員)

  12. [Q]「破砕機(建築廃材、廃アスファルトの中間処理施設)を設置する場合に有効な騒音対策を教えていただきたい。特に、法律によって建屋が建てられない場合。」
    (匿名)

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在来の鉄道騒音を評価する場合,特急,普通,貨物列車またディーゼル車で騒音の性質が変化するはずですが,車種別のLAeq評価をしなくてよいのですか。また,アセスメントではどのように取り扱うのでしょうか。

(匿名)


ご指摘のとおり,電車とディーゼル車,特急電車と通勤電車のように列車の種類によって発生する騒音の特性は異なります。又,同じJRの通勤電車でも,例えば旧型の103系と新型の209系では騒音レベルに差のあることは周知の事実です。その原因は主にギヤ比を含めた駆動方式の違いによるものです。従って、複数の種類の列車が走る路線で騒音評価を行う場合は,原則として列車の種類毎に騒音レベルを算出する必要があります。

在来鉄道騒音の予測評価は,最近では平成8年に発表された森藤らの方法1)によって行われることが多くなってきました。そこには電車騒音の主要な音源のパワーレベルの値が示されていますが,値に幅があり,しかもディーゼル車や貨物列車のデータは載っていません。騒音データが公表されていない列車については,自分で測定を行って所要のデータを入手しなければなりません。

ところで,アセスメントにおける騒音予測の方法としては,予測式等を用いて計算する方法と,評価対象と類似の箇所での実測結果から推定する方法とがあります。予測に必要なデータが与えられている場合は計算による方法が有効ですが,データがない場合は前述のように実測によってデータを入手するか,あるいは類似箇所での測定結果に基づいて予測を行うことになります。鉄道騒音に関しては公表されたデータが少ないこともあって,我が国では類似事例での結果に基づくアセスメントが大半を占める傾向にあります。

類似箇所でのデータを参照する場合に注意していただきたいのは,列車騒音の大きさは列車の種類だけでなく,列車速度,軌道構造,高欄高さ,構造物の種類などによって変わるということです。例えば,バラスト軌道とスラブ軌道では転動音に関して5〜10dBのレベル差を生じます。予測の精度を高めるためには,騒音の大きさに関わる種々の要因が計画路線と一致する箇所をどう選定するかが極めて重要です。

[文献]1)森藤良夫他:在来鉄道騒音の予測評価手法について, 騒音制御, Vol.19, No.3, 32-37,1996.6.

((財)小林理学研究所 加来治郎)

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周波数分析の結果,ある中心周波数で1/3オクターブとオクターブの結果の差異がバンド幅の違いによるのは理解できますが,それらとFFT分析結果で得たその周波数での音圧とはどのように比較すれば良いのですか。

(自治体職員)


騒音振動関係の周波数分析の一般的手法は1/1,1/3などのオクターブ分析とFFT分析があります。主な違いは、分析バンド幅にて前者が定比型であるのに対して、後者が定幅型であることです。すなわち中心周波数列が、前者が等比級数で、後者が等差級数です。

オクターブフィルタの中心周波数とバンド幅などのフィルタ特性は、IEC規格(IEC61260)やJIS規格(JIS C 1513)で規定されますので、規格を参照して下さい。それに対して、FFTアナライザのバンド幅は、定幅分析なので、解析周波数レンジをFmax、分解能ライン数をLとすると、バンド幅=Fmax/Lとなります。例えば10kHzレンジで800ライン分解能だとすると、12.5Hzとなります。(厳密にはウィンドウ関数の影響でこれより大きめになります。)

ここで、注意するべきは、このようにFFT分析のバンド幅は一般的にオクターブ分析のそれと比較して非常に小さい(狭帯域分析とも呼ばれるゆえんです)ので、中心周波数のラインだけの分析と勘違いされそうですが、FFT分析といえどもある有限幅で分析していることです。

誤解を恐れずに言えば、FFT分析も、バンド幅が比較して小さい、中心周波数によらず幅が一定という違いを除けば、オクターブ分析とそれほど違いはありません。例えば、1kHzの顕著な離散音(1kHzのラインスペクトルの周りにランダムな信号成分のパワーが小さい場合)を分析すると、1/3オクターブ分析もFFT分析もほぼ同じような結果になります。実際の騒音はランダム成分が多いので、バンド幅に比例して音圧レベルは変わります。

ファンの羽根の枚数に依存した離散的な音の分析などには、FFTアナライザがよく利用され、全体の騒音レベルの評価にはオクターブ分析が利用されます。

((株)小野測器 今泉八郎)

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LAeqの取り扱いについて、今まで蓄積されたL50のデータを利用できないのでしょうか。

(匿名)


L50は統計量としては中央値と呼ばれるもので、騒音を連続的に測定した時ある値を超える時間の割合とその値以下となる時間の割合がちょうど同じ(それぞれ50%)となる値のことをいいます。
一方、LAeqは等価騒音レベルと呼ばれていますが、その意味は騒音のエネルギー平均値をデシベルで表したものです。具体的には、騒音を連続的に測定した時、測定を行った時間について騒音となっている音のエネルギーの総和を求め、その総和を測定時間で割った平均エネルギーをデシベル表示で書き直したものをいいます。
このように、両者は全く異なる評価方法であるためL50のデータをLAeqに換算することは一般にはできません。したがって、今までに蓄積されたL50のデータを使って新しい環境基準に対する適合状況を判断するなどといった、基準値に関係するデリケートなことはできないと言えます。
しかしあまりデリケートでない場合については、今までに蓄積されたL50のデータの利用は可能と思われます。この場合はL50のデータのを近似的な換算によってLAeqのデータに置き換えます。換算の方法は、@L50に一定の値を加算(減算)する、A統計的方法により処理する、B単純な仮定に基づく近似計算を行う、などが考えられます。ここではBについてのひとつの例を紹介します。
騒音レベルが正規分布(標準偏差:σ)している場合、
LAeq=L50+σ2/20log(e)、と書けますが1)、ここから次のバリエーションが得られます。


LAeq=L50+(L5-L95)2/94.0
LAeq=L50+(L5-L50)2/23.5
LAeq=(L5+L95)/2+(L5-L95)2/94.0


これらは正規分布から多少ずれている場合でも比較的良く成り立つことが知られています。しかしあくまで近似計算ですので誤差の大きい場合もあり注意が必要です。これらについては文献を参照して下さい。

[文献]1)曽根、仁村:音学講論集(1977)、2)高木:環境技術、8(1979)、3)中野:騒音と振動、4(1981)、4)竹下他:騒制講論集(1987)、同(1999)

(静岡県環境衛生科学研究所 竹下昭二)

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工学会の講習会で、空気は通す(排気?)が音は通さないといった構造物の説明がありましたが、具体的に構造を教えて下さい。

(匿名)


まず、音は空気中を伝わる波動です。空気が通れば、必ず音は伝わります。したがって、「空気は通すが音は通さない構造物」はちょっと言い過ぎです。しかし、空気を通しながら音を減衰させる物はあります。身近な例としては自動車のマフラーや建物内の空調設備用吸音ダクトなどの消音器(サイレンサ)が挙げられます。上記の質問を「空気は通すが音を通しにくい構造物」とするとそれはたぶん吸音ルーバーのことではないでしょうか。吸音ルーバーは、掘割構造道路やトンネル出入口部に架設し、道路交通騒音を対策するための道路施設です。もともとはトンネル出入口部の照度調節(明るさの変化をやわらげる)装置として開発されたものです。この装置はルーバーブレードといわれる薄いパネル板から構成された格子状の構造物であり、光学効果の他に空気が通ることで排気ガスの拡散を妨げないという換気効果も有しています。騒音に対してはこのブレード表面を吸音性にすることで、減音効果を得ることができます。ルーバーブレードは光が直接差し込まない間隔(外部から音源が直接見通せない間隔)で部材に取りつけられています。このブレードは「く」の字型に成型されたステンレス製の表面材(パンチングメタル[開孔率約35%])で吸音材(グラスウール[密度32kg/m3])を挟む構造となっています。図1に代表的な吸音ルーバーの構造を示します。吸音ルーバーはブレードの吸音面積や厚さにより減音量を調節することが可能で、自動車騒音(A特性加重)に対して15dB程度の挿入損失(ルーバーが有る時と無い時の差)が得られるものもあります。

((財)小林理学研究所 松本敏雄)

図1 代表的な吸音ルーバーの断面図(準備中)

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騒音に係る環境基準が改正され,騒音の評価にLAeqが導入されました。それに関連して,騒音規制法の改正もあるように聞いていますが,振動規制法も含め,それらの動向をお聞かせ下さい。

(匿名)


環境基準値は、騒音が1年間を通じて平均的な状況を呈する日について、時間の区分を通じた等価騒音レベルで表示されており、住居等の生活の場における騒音の総曝露量を反映するものとなっています。一方、騒音規制法及び振動規制法における工場及び事業場に係る規制基準値は発生源の敷地の境界線における騒音の大きさの許容限度として、騒音の最大値等に着目して設定されています。また、騒音規制法における自動車騒音に係る要請限度値は交通規制や道路構造の改善等という発生源側の対策の要否を判断する際の基準であり、住居等の立地を前提としたうえで自動車騒音の発生源側の騒音レベルを把握するものであります。

要請限度における騒音の評価手法の在り方及びこれに関連して再検討が必要となる限度値等の在り方について中央環境審議会において審議され、平成10年10月6日に環境庁長官に答申されました。この中で、新たな要請限度における騒音の評価手法としては、環境基準と同一の評価手法によることとし、等価騒音レベルを採用することが適当であることとされました。この答申を受け、平成11年度に要請限度に係る総理府令を改正し、平成12年4月1日から施行されました。

環境基準と規制基準とでは騒音の評価手法が異なるため、その基準値間の単純な比較は困難ですが、

  • 騒音の最大値等に着目した現行の規制基準により、人に最も不快感を与える大きな騒音に効果的に対応できること。
  • 現場において効率的に騒音規制法を運用し、効果的な指導を行うためには、短時間で簡便に把握できる基準であることが望ましく、長時間を通じた基準や他の騒音との分離が困難な騒音指標は適さないこと。
  • 地域の実情に応じてきめ細かく規制を行うためには、現行の規制基準が採用している、新環境基準よりも細かい地域区分や時間区分を維持することが望ましいこと。
等の理由により現行の評価手法は環境基準改定後も引き続き有効であり、当面見直す予定はありません。

(環境庁大気保全局大気生活環境室)

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新環境基準では推計する方法が認められているが,推計結果の評価に評価者の主観が入ることになり,評価される側(推計者)との差異が表面化することが考えられる。このような場合をどのように処理するお考えですか。

(匿名)


新たな環境基準の特徴としては、等価騒音レベルを採用したことにより「道路交通騒音等の推計においても、計算方法が明確化・簡略化される」(平成10年5月22日中央環境審議会答申(騒音の評価手法の在り方について))ことです。これにより「必要な実測時間が確保できない場合や・・・・環境基準の達成状況を面的に把握する場合等においては、積極的に推計を導入することが必要である」(同答申)と中央環境審議会答申でも推計の導入を積極的に推進しています。しかし、環境庁としては、推計の導入により評価者の主観が大きく入るとは考えておりません。

道路に面する地域の評価を行う際のマニュアルは現在検討中ですが、全国的に統一された方法をできるだけ客観的かつ詳細に示すようにしており、客観的な評価・推計結果が得られると考えています。

具体的には、道路に面する地域について一定の区域の評価を行う際には、実測された騒音をもとに距離による減衰、建物による減衰の値をマニュアルで具体的に数値で示し、それをもとに当該区域の騒音曝露状況を求め、環境基準超過割合を求めることとしています。また、地域評価を行う際の母数や騒音の測定方法、騒音の減衰を計算する際に用いる変数の求め方についてもマニュアルで客観的に示す予定です。
このように、推計の方法を客観的かつ詳細に定めることにより、評価者の主観を排除することができ、従って評価者と推計者の間に大きな差異は出てこないものと考えています。

(環境庁大気企画局自動車環境対策第二課)

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騒音や振動レベルのフィールド測定中に,定格の温湿度測定可能条件から少し外れてしまった場合,どのような対策をとればよいのか,また,補正などが可能なのでしょうか。

(匿名)


JISで規定されている騒音計および振動レベル計の使用温湿度範囲は−10℃〜50℃、90%以下となっており、温度による器差の変化が0.5dB以上ある場合には補正値を取扱説明書に記載することになっています。しかし補正が必要な性能では測定者の利便性に問題が生じるため、現実にこの範囲で補正の必要な騒音計・振動レベル計は実在していないと思います。

騒音計・振動レベル計の製品仕様に記載される温湿度範囲は前記したJISの規定と同一になっている製品が一般的ですが、その範囲よりも広く規定されている製品もありえます。問題は御質問にあるように製品仕様で規定される温湿度範囲外でのことですが、残念ながらメーカーでは性能保証することが出来ませんし補正値も用意されていません。その理由は次によります。

 一般には温湿度試験を出荷される製品の全数について実施することはその必然性が低く、コストアップにも繋がるため行われていません。温湿度試験は製品の開発段階や、計量法の型式承認試験で実施されています。そしてその後は製品の量産時に抜き取り試験で実施されます。メーカー側ではそれらの試験データや設計上の理論的な判断によって製造された全数についての性能保証ができる範囲を決めています。そこで個々の製品で捉えた場合にはある程度の余裕度が含まれる場合もあるため、規定した温湿度範囲を大きく外れない範囲では正常に動作することもありえます。しかし、その環境での試験を行っての判断がないためメーカーとしてはあくまで性能保証ができないのです。

 製品仕様より広い使用環境での性能保証を必要とする場合にはメーカーに依頼することにより、ある範囲内であればその環境での性能試験を実施することで対応出来る場合もありますが、別途に費用が発生してしまいます。メーカーではなく使用者の自己責任において性能を確認する場合には、その環境で音響校正器や振動レベル校正器を利用することなどにより動作確認するのも一つの方法ですが、その場合には動作確認が測定器の持つさまざまな機能の一部に限定されている点に注意することが必要です。

(リオン(株) 若林 友晴)

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在来鉄道の騒音指針値は新線のみ定められており、既設線の大規模改良には明確な数字がなく「現状より改善すること」となっている。「改善する」とは何dB(A)程度低減させるのが目的なのか。

(匿名)


在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針について」(平成7年12月20日環境庁通達)は、在来線のうち、特に新線建設による路線や立体交差等に伴う高架化又は線路の増設のような大規模工事を行った路線は、鉄道騒音を巡る周辺環境が急変するため新たな騒音問題が生じているケースが少なくありませんでした。このため、これらに際しての騒音問題の発生を未然に防止ために、目標となる当面の指針を定めたものです。

 この策定過程で、最近供用された新線と大規模改良線について列車本数と騒音レベルを比較したところ、大規模改良線の方が運転本数が多い路線があり、新線と比較して数dB(A)大きくなってしまう状況もあることがわかりました。また、貨物列車と旅客列車の両方が走行する区間においては、列車総本数が同様でも貨物列車の運転本数が多いケースでは貨物列車の長さが長いため、夜間においてさらに数dB(A)大きくなった事例がありました。

 このため、大規模改良線の指針については、状況が極めて複雑であり必ずしも新線と同様の騒音レベルに抑えることは容易ではないとして、「騒音レベルの状況を改良前より改善すること」としたものです。

 したがって、「現状より改善すること」とは技術的な対応可能性も踏まえたうえで、できるだけ現状より騒音レベルを低くすることである、と考えていただきたいとおもいます。

 なお、既設線の環境基準や指針については、列車の種類、編成内容、運行頻度、運行時間などが多種多様であり、採りうる環境対策も路線ごとにその条件が異なることから全国一律に設定することは困難ですので、この場合の騒音対策は個別の事例ごとに適切な対策が講じられるもの、と考えています。

(環境庁大気保全局自動車環境対策第一課 奥山 広)

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騒音に規制事務に携わって1年に満たないが、法律や条例に抵触しない工場・事業場、建設作業、近隣騒音等についての苦情処理について苦慮しています。対処方法のコツのようなものがあればお教え下さい。

(自治体職員)


騒音の苦情処理は、古くて新しい問題であり、ご苦労の程良く分かります。一 昔まえの騒音公害であれば、誰が聞いてもこれは大変だ、というものでしたが、近年 は騒音レベルが低くなり、技術的にそれ以上にレベルを下げることがほとんど不可能 に近い場合が多いのが現状です。特に大阪府の場合などは、規模に関わりなく、全て の工場・事業場を規制対象にしており、条例上は、例えば製品の搬出・搬入にともな うトラックの出入りに伴う音(事実状防止の方法がない)までが含まれますから、規 制に当たられる市町村の担当者のご苦労には大変なものがあります。
 また、騒音公害のいくつかには、騒音自体が問題ではなく、相手方が我が家にな いピアノを持っていることがしゃくに障る、とか、先代からの土地の境界問題が根底 にあるとか、騒音そのものが問題でない場合も多いのです。
 さて、こうした問題への対応ですが、まず誠実に対応し言い分を良く聞いてあげ る(私の場合は3度までは同じ事の繰言であっても聞く)のが、原則です。苦情者の 多くは孤独で、自分の悩みを理解してくれる人を持たない。したがって、まじめに聞 いてあげるだけで解決する場合もあります。もちろん行政の説明に納得せず、しつこ く何度も何度も苦情を申し立てる方も多くおられます。実は、私自身騒音公害の加害 者(マンションでの子供の飛び跳ねる音)になったり、被害者(隣家のボイラー音) になった経験がありますが、自分で出来る限りの処置をし行政に持ちこんだりはしま せんでした。
 ですから、私が相手の立場ならこうする、あるいは、このようにして解決された 事例がある、と言えば、近隣騒音の場合は大抵以後苦情は来なくなります。
それでも納得が得られない場合、公害紛争処理法に基づく調停を進めます。大阪府 では年間7,8件の調停事案がありますが、6,7割は騒音に関するものです。それ でもだめなら残された手段は民事訴訟を勧めるしかないでしょう。

(大阪府公害監視センター 厚井弘志)

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国道43号の訴訟以来、道路騒音公害に対する一般の認識は大きく変化し、技術的対応策も多くの進展を見ていると聞いております。国道43号等で実際とられている道路騒音の防止に関しての最新技術について、お教えください。

(コンサル担当者)


国道43号は、片側3車線計6車線の道路で、阪神高速大阪−神戸線はその中 央付近に高架道路として建造されている。両道路に対する主な道路構造対策として、 以下に示す4つが実施されている。

@排水性舗装の敷設


国道43号、阪神高速道路の両道路とも全面排水性舗装が敷設されている。排水性 舗装は、自動車走行の安全面から考えられた舗装であるが、アスファルトに空隙があ るため吸音性能を持ち走行中のタイヤ音を減少させるため低騒音舗装とも言われる。 時速40km以上で2〜4dBの効果がある。

A国道43号沿道における高遮音壁の設置


一般に平面道路には、遮音壁は設置されないが、国道43号沿道には高さ5mの遮 音壁が設置されている。遮音壁を建てる場合は、幅の長い遮音壁が理想的であるが、 沿道には商店、事務所等が混在し、一様に長い遮音壁を設置することが難しいため、 200mを超える長い遮音壁や20mに満たない短い遮音壁が見られる。しかし、短 いものであっても連続していれば、3〜5dBの遮音効果がある。

B高架裏面吸音板の設置


国道43号を走行する自動車の騒音が阪神高速道路の高架裏面に反射し、反対側車 線の道路沿道に到達する音を防止するため、高架裏面に吸音材を張り付けたものであ る。一般的な断面では効果は1〜2dBであるが、道路が河川などを横断する地点で沿 道より高くなっているところでは、5〜7dBの効果があるといわれている。

C阪神高速道路における新型遮音壁の設置


新型遮音壁は、既成の遮音壁の上部に円筒形(きのこの様な)の遮音装置(高さ約 50cm)を取り付けたもので、従来の遮音壁より1.5〜2m遮音壁を高くした場合と同 等の効果があるといわれている。

その他、夜間の大型車の通行帯規制が、平成10年4月から実施され、また、交通 管制システムの高度化や広域防災帯の整備も進められている。

(兵庫県立公害研究所 辻本三郎丸)

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現在途上国においても騒音は大きな問題になっていますが、騒音制御工学会、あるいは学会員の方々はどのような取り組みを行われているのでしょうか。わかる範囲でお教え下さい。

(自治体職員)


絶え間無いクラクションの音、黒煙を吐きながら走るミニバスや大型バス、日に5回モスクから大音量で放送されるコーラン、たくさんの自動車の流れの間をすり抜けるように道路を横切る人々とカイロの街はエネルギーに満ち溢れ、喧騒の中にあります。バンコクは交通渋滞で有名であり、この解決策としてのスカイトレイン(都市内高架鉄道)が建設されました。この高架軌道はバンコクのメイン通りに天蓋をかけたように建設され、それにより地上の通りに自動車音が充満しています。このように途上国の騒音問題は都市に人口が集中し、街が拡大し、工業化する中で生じています。自動車交通問題は東京・大阪・バンコク・カイロと共に大きな地域環境問題であり、途上国を走る自動車・オートバイ・ロングテールボートはかって先進国を走っていたものであり、地球環境問題でもあります。 我が国の環境庁はタイ・インドネシア・中国・チリ・メキシコ・エジプトの環境のモニタリングと研究研修を行うセンターを国際協力事業団のプロジェクト方式によって、建設・設備を充実させています。このセンターでの技術移転に参加している専門家に自治体・民間・大学の当学会員がいます。技術移転は単に技術を移転するだけではなく、途上国の環境問題をカウンターパートと共に調査研究し、その方法や報告書の作成を確立・改善して、そのセンターがプロジェクト終了後も自立・自律していくように促進する教育活動も含んだ内容を持ちます。途上国も我が国も騒音問題は身近な問題でもあり、特に地方公共団体の行政・研究の経験を持ち、環境行政に熟知し、環境保全の理念・哲学を同僚と共に育み活動している人材が必要とされています。そして、外国での技術移転はカウンターパートとの友好関係の上にはじめて可能となります。現職で海外青年協力隊に参加できる条例を制定した町もあります。国際協力はこれからますます期待されるのです。

(千葉県環境研究所  石井 晧)

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「破砕機(建築廃材、廃アスファルトの中間処理施設)を設置する場合に有効な騒音対策を教えていただきたい。特に、法律によって建屋が建てられない場合。」

(匿名)


破砕機(クラッシャー、ジョークラッシャー)の騒音対策は非常に困難なものの一つである。防音対策に苦慮する主な要因は下記事項のためである。
  1. クラッシャー自体及び付帯設備の騒音レベルが非常に大きい。(音源近傍で90〜110dB位)
  2. 開放型作業場であり法令等の制約により、屋根の架設が出来ないケースもある。
  3. 作業場が広大であり対策範囲も広く工事費用が膨大となる。
  4. 防音対策と共に粉塵対策にも配慮する必要がある。  
    対策の実際面では次の様なことに配慮して計画されるのが好ましい。
    1. 破砕機自体の防音対策
      • @屋根が架設出来る場合  
        屋根材料、外壁材料共、外側遮音材、内側吸音材の構成にすること。外壁内側はハネ石等の衝撃等に強い吸音材(例えば、防音ブロックサウンドガード、セラミック系又は剛体多孔質ポアセル等)を選定すること。
      • A屋根が架設出来ない場合(建築基準法等の規制により)
        屋根のない場合高い外壁が必要となる。近隣への影響は、透過音と回折音があるので回折音の影響を無視しないこと。破砕機自体を地下に入れるか又は半地下形式にするものも一方法である。 外壁材料は@と同じ。
    2. 破砕機以外の付帯設備の防音対策
      • @ブロワの防音対策
        ブロワ本体を防音ボックスに収容し、排気音についてはダクトに消音器(サイレンサー)を装着する。
      • A投入口(ホッパー)の防音対策
        コンクリート片等投入時の騒音対策としてホッパーの内部にゴム板等を貼付けると防音効果があるがすぐ摩耗破損するのでホッパーの外部に塗布型制振材(例えば、セメダインHCO25等)の塗付でもかなりの減音効果が期待できる。
      • B建設重機(ショベルカー、ダンプカー等)の防音対策
        構内道路作業場所等の高低差をできるだけなくし、登り坂によるエンジン音の増大を防止する。その他の対策方法としては敷地境界に防音塀を建設することが上げられる。

(平野防音株式会社 平野康夫)

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