平成17年11月24日

1 はじめに
 (社)日本騒音制御工学会は、騒音・振動・音環境に関する学術・技術の発展と普及を図る学会として、ピアレビュー(会員による公正な評価)により技術の向上に努めてきました。さらに、研究発表会の開催や学会誌・専門書の発行により、論文等の発表の場や優れた成果に対する選奨の整備に努力してきました。
この活動を一層推進するためには、論文の投稿や研究発表を行う者、学会誌等の編集を担当する者、論文掲載について査読する者、講習会等で講演を行う者、出版を担当する者、並びに各選奨を選考する者が、倫理的な基準に則り、公正・公平に活動を行わなければなりません。これにより適切なピアレビューが担保され、当学会が関わる論文や作品等の発表が、一層社会に認められるものとなります。
このピアレビューにかかる倫理規程は、前述の目的を達成するため制定・公表するものであり、これによりオリジナリティーと優れた水準を有する論文等が引き続き確保されることが期待されます。当学会は、この倫理規程を満たした学会活動を行うことにより、騒音・振動・音環境にかかる学術・技術の一層の発展に努力するものであります。

2 論文の投稿や研究発表を行う者の義務
(1) 要件を満たした論文等
論文等は、記述要領等に示された諸条件を満たし、学術・技術の発展に資するものでなければならない。
(2) 完結した論文
当該の研究等に多数の者の関与した場合や継続的に実施された場合には、当該の論文等は一つの完結したものについて取りまとめられたものでなければならない。
(3) 共同著者
 共同著者とは、当該の論文等の完成に意義ある貢献を果たし、論文等の内容に共同の責任を負える者である。
 また、筆頭に名を掲げる者は、論文等への貢献度が最も高いと認められる者で、共同著者に完成稿を示して投稿への同意を得なければならない。
(4) 捏造の禁止
 論文等においては、捏造された情報が含まれていてはならない。
(5) 情報の提供
 論文等は、他者が検証・評価するのに十分な情報を提供するものでなければならない。 
(6) 既報告の引用
著者は、論文等で既報告を引用する場合には、その引用元を示さなければならず、著作権などの権利に十分留意して引用しなければならない。
(7) 既報告の批判
 既報告に対する学術的根拠のある批判的論述は許されるが、誹謗・中傷や根拠不明の批判は許されない。
(8) 人権・プライバシーの保護
 著者は、調査や実験の対象者や被験者の健康や尊厳を守らなければならず、論文等において人権やプライバシーを侵害してはならない。
(9) 商業的意図等の排除
 論文等には、明らかな商業的意図、政治的意図、宗教的意図があってはならない。
(10) 権利侵害の責任
 論文等において著作権など他者の有する権利を侵害した場合の一切の責任は著者にあり、本学会が責任を負うものではないことに、著者は同意しなければならない。

3 編集を担当する者の義務
(1) 公正な運営
 編集を担当する者は、常に最新の情報を速やかに読者に提供することに心がけ、公正・公平な編集を行わなければならない。
(2) 速やかな編集
編集を担当する者は、速やかな編集・出版に努め、遅延により論文等の価値が低下しないようにしなければならない。
(3) 査読者の選定
査読者の選定は、公正・公平に行い、専門性を考慮して最も適切な査読者を選定しなければならない。
(4) 守秘義務
編集を担当する者は、査読に関する事項を他者に漏らしてはならない。また、編集を担当している原稿の内容について出版前に他者に漏らしてはならない。
(5) 意義申し立て
編集を担当する者は、論文掲載についての編集や査読における内容検討により採用とならなかった論文等の著者からの異議申し立てについては、適切に対処し必要な措置をとらなければならない。

4 論文掲載について査読する者の義務
(1) 査読の辞退
 査読者は、論文等の著者と個人的利害関係がある場合、自己の専門と異なる場合、査読期限までに終了する見込みがない場合、その他、公正・公平で適切な査読を担保できないと考えられる場合は、速やかに査読を辞退しなければならない。
(2) 期限の遵守
論文等の価値は、時期・時間に大きくかかわっており、査読は期限を厳守して速やかに進めなければならない。
(3) 客観性の担保
 査読は、学術・技術の発展へ資するかの観点から客観的かつ論理的に行われなければならず、個人的な考えや感情に基づく判断は控えなければならない。
(4) 有用性の判断
 論文等の有用性は、従来から蓄積発展してきた知識を発展させる場合のほか、当該論文等において従来とは異なる方向が証明される、又は妥当性が論争されるべき場合も認められるものであり、そのことをもって当該論文等の掲載を否定してはならない。
(5) 査読結果の記述
 査読結果については、論理的で専門家が理解できる記述表現で報告しなければならず、著者の人格や専門性にも敬意を払ったものでなければならない。
(6) 守秘義務
 査読者は、公表前の査読中論文等の内容及び査読の依頼を受けた事実を他者に漏らしてはならない。
(7) 自己利用の禁止
 査読者は、当該論文等が公表されるまで、その内容を自己のために利用してはならない。
(8) 報告の実施
 査読者は、論文等の内容が既に公表された論文と同一もしくは同一の疑いがある場合には、編集を担当する者に速やかに報告しなければならない。
また、論文等の中に捏造や著者の義務に反する部分、またはその疑いがある部分を発見した場合も同様である。

5 講習会等で講演を行う者の義務
(1) 要件を満たした講演
講演は、依頼内容に示された諸条件を満たしたもので、受講者の期待に応える内容のものでなければならない。
(2) 情報の提供
 講演は、受講者が調査研究や学習を行うために有効な情報を提供するものでなければならない。 
(3) 既報告の引用
講演者は、講演において既報告を引用する場合には、その引用元を示さなければならず、他者の持つ著作権などの権利にも十分留意しなければならない。
(4) 人権・プライバシーの保護
 講演者は、講演のなかにおいて人権やプライバシーを侵害してはならない。
(5) 商業的意図等の排除
 講演者は、明らかな商業的意図、政治的意図、宗教的意図に基づく講演を行ってはならない。

6 出版を担当する者の義務
(1) 適切な出版物
出版を担当する者は、読者が求めている出版物の把握に努め、適切に出版を行わなければならない。
(2) 著者の選定
著者の選定は、公正・公平に行い、専門性を考慮して最も適切な著者を選定しなければならない。
(3) 最新情報による出版
出版を担当する者は、最新の情報により速やかな出版に努力しなければならない。
(4) 特定の意図の排除
 出版を担当する者は、明らかな商業的意図、政治的意図、宗教的意図に基づく出版を行ってはならない。
(5) 守秘義務
出版を担当する者は、担当している原稿の内容について出版前に他者に漏らしてはならない。

7 各選奨を担当する者の義務
(1) 公正な運営
選奨を担当する者は、選奨にかかる規程に基づき公平・公正な運営を行わなければならない。
(2) 担当の辞退
選奨を担当する者は、対象となる論文又は作品について、個人的利害関係がある場合など選奨を担当することがふさわしくないと考える場合には、速やかに担当を辞退しなければならない。
(3) 守秘義務
 選奨を担当する者は、選奨結果が公表されるまでは選奨に関することを他者に漏らしてはならない。