この度、会員の皆様のご推挙により、(社)日本騒音制御工学会第18期会長の大役を務めさせていただくことになりました。ご挨拶を考えるうち、重責を担う立場に就いたことの重大さを改めて自覚し、身の引き締まる思いがしております。副会長に就任された今泉博之氏、吉久光一氏、及び理事、監事の皆様とともに、総勢二十五名が一丸となって協力し、学会の運営と更なる発展に向けて最善を尽くしてまいります。会員の皆様のご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。
さて、今期の第一の課題は法人改革対応です。前期までの執行部で検討され先般の総会で決議されたところに従い、つつがなく公益社団法人への移行を実現することが求められています。その申請に際し、総会において承認された定款変更案の他に移行認定申請書など多数の書類を整える必要があり、体制を整え、準備を開始したところです。迅速かつ確実に準備を進め、抜かりなく実現するため、中核となる総務、会計の担当理事は二人ずつお願いし、さらに準備作業の管理統括を担当する理事も設けました。順調にいけば秋には申請できると考えています。これが新執行部の最初にして最大の任務になります。
次は会員拡大です。本学会は、騒音・振動問題に関係する産官学の関係者が集まり学会活動の中核を担っておられるところに大きな特色を有していますが、社会全体の傾向を反映して会員の高齢化が進み、定年退職とともに退会される方が増えていること等により会員数が減少しています。騒音・振動制御の実務に係る研究調査が多いこと等のため、学生等の若手会員が極端に少ないことも大きな課題となっており、これらに対処するため効果的な方策を取ることが急がれています。そのため、今期の執行部ではこれを担当する理事も設けました。さらに、会員拡大とも関連する課題として社会貢献の方策を立案し、実施することが求められています。そもそも騒音・振動制御の研究調査自体、社会貢献の色合いの強い活動ですが、ここでいう社会貢献は、塩田前会長から宿題として頂戴したもので、社会に直接的に働きかけていくものです。これを担当する理事も設けました。なお、塩田前会長は、地方自治体が実施する市民大学等の活動に参加、協力して騒音・振動の基本知識の普及や静かな街作りへの貢献をすることや技術講習会への一般参加の仕組み作りを考えておられましたが、学生を対象とする基礎講座や子供達を対象とする講演会、出前講座等の開催を通じて啓発活動を実施することも考えたいと思っています。
最後は国際協力です。本学会と日本音響学会の共催により、来年9月上旬、大阪国際会議場においてインターノイズ2011を開催します。経済情勢がなかなか好転しない中ですが、会員の皆様に積極的に参加していただき、首尾よく成功させるとともにわが国並びに本学会における騒音・振動制御の研究の発展の契機としたいと考えています。ところで先般の総会の直前に韓国の騒音振動工学会KSNVEが創立20周年記念の春季研究発表会をチェジュ島で開催し、併せて日中韓の音響並びに騒音制御の研究分野の国際協力を討議する委員会を開きました。これに招待を受け、塩田前会長のお祝いメッセージを携えて参加し、協力促進のエールを交わしてきました。そうした国際協力、なかでも近隣諸国との協調、協力は本学会の重要な使命であると確信します。これに真摯に取り組む所存であります。
以上、3つの事項を今期の重要課題として挙げてさせていただきましたが、学会の基本は、学会誌の刊行、研究発表会の開催、研究部会の開催、講習会の実施や出版事業といった常々の活動にあることは言うまでもありません。これらを円滑に遂行し、そのうえで前述の課題に対処しなければなりません。繰り返しになりますが、今期は法人改革という本学会にとって創立以来の大きな変革の機となります。課題山積、かつ困難なことも起こると予想されるところでありますが、会員の皆様のご協力を得まして一つ一つ着実に、それらに対処していきたいと考えています。どうぞ、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
(平成22年7月)